会社再生の弁護士BLOG

破産

会社は破産しても再生できる?|会社の破産・倒産の回避

4月2日

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こんにちは。弁護士の吉村です。

本日も会社の倒産・破産から回避して再生するための話を弁護士としてさせていただきます。

 

3日前の3月31日,日経の朝刊に次のような記事がありました。

 

東京スター銀、破産申請会社に再生融資枠】

 

東京スター銀行は、2月に東京地裁に破産を申請したプラスチック容器製造の和田工業(東京・墨田)に対し、再生融資枠を設定した。破綻した企業向けの融資では、民事再生など再建を前提とした案件に融資するのが一般的だが、破産申請した同社の再生可能性が高いと判断した。同行は2011年から再生融資の専門部署を設けるなど取り組みを本格化し、取り扱い実績は282億円になった。

 

おいおい,破産申請会社に融資ってありえるのか?と一瞬思いますよね。

ありえるんです。

この会社の倒産情報が帝国データバンクで公表されていますが,その情報の末尾にこそっと「なお、現段階において得意先から見込まれる受注もあり、当面のあいだ営業を継続する予定。」との記載があります。

つまり,この会社は負債は約30億くらいにのぼるとのことですが,1932年(昭和7年)8月創業から積み重ねた確かな技術で一定の得意先の信頼を確保し,破産したとしても,存続のニーズはあったのでしょう。

そして,ここから先は推測ですが,破産したとしても,その会社にある人・モノ・カネをコアな事業に集中すれば,きちんと利益を出し続けることができることを,得意先や金融会社にキチッと説明したのだと思います。それにより得意先もこれまでどおり取引を継続してくれ,仕入先などにも協力を得て(多少支払条件が厳しくなるかもしれませんが),さらに東京スター銀行の融資を勝ち取ることができたのだと思います。

スキームとしてはおそらく第二会社方式といいまして,この会社とは別の法人を設立し,そこへコアな事業を承継させる方法をとったのだと思われます。

 

要は,確実な事業があり,今後の事業の継続について実現可能なプランを示せたことがポイントで,それが揃えば,破産申請した会社でも再生できるのです。

 

会社が破産しても決して諦めてはいけない,その好例が公表されたことは大きな意味があると思います。

 

以上です。

 

【参考サイト】

・ 第二会社方式とは? http://www.e-kigyousaisei.com/qa/maa.html

・ 破産手続 http://www.e-kigyousaisei.com/qa/hasan.html

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知っておきたい経営者保証ガイドラインのメリット(その1)

3月23日

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保証 ガイドライン


こんにちは,弁護士の吉村です。

本日は今話題の経営者保証ガイドラインについて,破産の場合との比較におけるメリット検討したいと思います。何回かに分けて連載し,然るべきタイミングでまとめ記事にしたいと思います。

経営者保証ガイドラインのメリット

  •  保証人が残せる資産財産が増える
  •  自宅(マイホーム)が残せる
  •  債権者への弁済も破産の場合より多い
  •  公表されない 
  •  信用情報に事故情報として登録されない 
【以下用いる略称です。】

GL:経営者保証に関するガイドライン

Q&A:平成25年12月5日制定「経営者保証に関するガイドライン Q&A」

 

1 保証人が残せる資産財産が増える

(1) 自己破産の場合 残せる資産

① 99万円までの現金 
② 残高20万円以下の預貯金 
③ 解約返戻金見込額20万円以下の保険 
④ 処分見込額20万円以下の自動車・バイク 
⑤ 居住用家屋の敷金債権 
⑥ 電話加入権 
⑦ 支給見込額8分の1相当額が20万円以下である退職金
⑧ 支給見込額8分の1相当額が20万円を超える退職金の8分の7相当額 
⑨ 家財道具 
⑩ 差押を禁止されている動産又は財産


自己破産でも結構残せますよね。 

(2) 経営者保証ガイドライン(GL7(3)③)


① 99万円までの現金 
② 残高20万円以下の預貯金 
③ 解約返戻金見込額20万円以下の保険 
④ 処分見込額20万円以下の自動車・バイク 
⑤ 居住用家屋の敷金債権 
⑥ 電話加入権 
⑦ 支給見込額8分の1相当額が20万円以下である退職金
⑧ 支給見込額8分の1相当額が20万円を超える退職金の8分の7相当額 
⑨ 家財道具 
⑩ 差押を禁止されている動産又は財産



       無題
 

「一定期間の生計費に相当する現預金」や「華美でない自宅」等



 一定期間の生計費に相当する現預金」とは、具体的には、


33万円/月×表の一定の年齢区分に応じた雇用保険の給付期間


年齢労働期間
1年
未満
1年
以上
5年
未満
5年
以上
10年
未満
10年
以上
20年
未満
20年
以上
30歳未満90日90日120日180日-
30歳以上
35歳未満
90日90日180日210日240日
35歳以上
45歳未満
90日90日180日240日270日
45歳以上
60歳未満
90日180日240日270日330日
60歳以上
65歳未満
90日150日180日210日240日

(具体例)保証人が55歳の場合,「45歳以上60歳未満」の区分で、330日を「一定期間」とした場合、自由財産99万円と363万円(33万円×11か月)の合計462万円の現金預金を残すことが認められることになります。

※33万円は,1月当たりの「標準的な世帯の必要生計費」として民事執行法施行令で定める額
【Q&A 7-14】



但し,「破産手続による配当よりも多くの回収を得られる見込みがある」という限界がある【GL7(1)ハ) Q&A 7-4】

今回は,以上です。

【次回連載予定】

2 自宅(マイホーム)が残せる

3 債権者への弁済も破産の場合より多い

4 公表されない

5 信用情報に事故情報として登録されない






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